今回の舞台は江戸の情緒を今にとどめる千葉、船橋。千葉県船橋市の街をゆっくり散策した太田和彦さん。今回は作家・山本周五郎が滞在し名作『青べか物語』を生んだ場所として知られる、船橋の「三番瀬」が舞台です。
地元の神社にごあいさつ

船橋大神宮(意富比神社)では、明治初期の灯明台や常磐神社、伊勢神宮の式年遷宮を模した豊受姫神社(外宮)を訪れ、歴史を感じながら町歩きを楽しみました。

古い建物の残る船橋の通りでは、創業以来150年以上続く森田呉服店や廣瀬直船堂に立ち寄り、歴史の息吹を感じながら散策を楽しみました。
路地裏の名店「ゆる燗酒場 煮りん」

散策後、太田さんが訪れたのは、2021年にオープンしたばかりの「ゆる燗酒場 煮りん」。まだ新しいお店ながら、すでに地元の人々に愛される人気店です。「ゆる燗」とは、ゆっくり飲める酒場という意味だそうで、路地裏にひっそりと構える店の佇まいや、手書きの看板が何とも風情があります。

席に着くと太田さんは早速、千葉の地酒「木戸泉 自然舞」を注文。これは自然農法で育てた米を使った純米酒で、太田さんも「船橋乾杯!」と嬉しそうに杯を傾けました。ちょうど良いぬるめの温度と辛口が最初の一杯にぴったりだと、早くもご満悦の様子でした。

続いて運ばれてきた料理は、甘めに煮付けられた里芋の煮物に目光(めひかり)のからあげ。目光は千葉でよくとれる魚で、太田さんはとても美味しいと大絶賛。

千葉の郷土料理「なめろう」は料理長おすすめの一品です。その付け合わせとして出されたのが酒粕を練り込んだ自家製パン。実はこの店の料理長はフレンチ出身ということもあり、和と洋が見事に融合した創作料理を提供しています。太田さんもパンを口に入れると「これは美味しい!」と驚きの表情。さらにイカ肝のルイベと合わせると、太田さんは「うますぎる!」と大絶賛していました。

お店の名前「煮りん」には、「酒の肴(=煮物)を提供する店にしなさい」という料理長の友人からのアドバイスが込められているのだとか。訪れるお客さんにとっても、この店はすっかり生活の一部になっているそうで、注文する料理もいつも決まっているとのこと。それを聞いた太田さんは、「居酒屋の真髄はまさにこれだね」と、しみじみ語っていました。
「千葉・船橋で江戸前の珍味とぬる燗を堪能」まとめ
帰り際には、散策中に引いたおみくじが「中吉」だったことを思い出し、「人生は中吉くらいがちょうど良い」と笑顔を見せた太田さんです。ゆったりとした酒と料理、人との温かいつながりを楽しんだ、素敵な船橋の夜となりました。紹介しきれなかった内容はぜひ番組をご視聴ください!