阪神・淡路大震災から未来への備えを考える
1995年に発生した最大震度7の阪神・淡路大震災。その被害と教訓をもとに、私たちは未来にどのような備えができるのでしょうか。震災後、教訓はどのように活かされ、現代に引き継がれているのでしょうか。
今回は、キャスターの長野智子さんが「人と防災未来センター」を訪れ、防災研究の第一人者である神戸大学の室崎益輝名誉教授にインタビュー。さらに、2024年1月に発生した能登半島地震の避難所での衛生環境改善や感染症対策、そして災害対応で期待されるAIの活用についてもリポートします。
阪神・淡路大震災の被害と教訓
「人と防災未来センター」では、被災者から提供された震災関連資料や映像を通じて、災害や防災について学べます。
震災当時のデータによれば、地震による激しい揺れで全壊した建物は約10万4906棟(※総務省消防庁調べ)にのぼり、多くの死者は古い耐震基準の木造住宅が密集する地域で発生しました。
また、震災では直接的な被害だけでなく、避難生活の過酷さから「災害関連死」も多く報告されました。このことから、避難環境の改善が重要な課題として浮き彫りになっています。
一方で、震災対応で評価された点として「地域のつながり」が挙げられます。住民同士が助け合い、閉じ込められた人々を救出した例が多く見られました。このような地域の協力は、災害対応における重要な教訓となっています。
現代における課題と対策
しかし、少子高齢化が進む日本では、人手不足が課題となっています。「助け合い」の精神が大切だと分かっていても、被災時に自身の安全確保で精一杯になる現状があります。さらに、被害状況の把握が難しく、初動対応が遅れるケースも課題です。
こうした課題の解決策として注目されているのが、AIの活用です。たとえば、地震後の衛星画像をAIが解析することで、変化があった場所を迅速に検出し、支援を効率的に進めることが期待されています。
感染症対策と災害関連死の防止
避難所では、コロナウイルスやインフルエンザなど感染症による被害も深刻でした。その対策の一つとして空気清浄機が効果的であることが確認されています。
実際、震災後には企業や団体から空気清浄機が被災地に届けられました。これにより、避難所の衛生環境が改善し、感染症対策が進んだことが報告されています。
「日本空気と水の衛生推進機構」では、これらの調査結果をウェブサイトで公開しており、インターネットを活用した情報発信の重要性も高まっています。
番組のご案内
震災の教訓や現代の防災対策を紹介する今回の番組、ぜひご覧ください。