太田和彦さんが古都・鎌倉にて名物料理を堪能!

酒×食

 日本国内の数々の居酒屋を巡って来た写真家であり、アートディレクターとしてお馴染みの太田和彦さんが、居酒屋探訪家として今回も居酒屋の旅へ訪れます。今回訪れる舞台は、湘南の古都・鎌倉です。貴族社会から武家社会へと変遷し、日本の礎となった地でもある鎌倉でおすすめの馴染みの居酒屋を訪れます。 

散策の途中で鎌倉市民のモノづくりを見学

 石原裕次郎さん、加山雄三さんなどの昭和の大スターを生み出した地である湘南の海・由比ガ浜を訪れます。鎌倉は幾度か訪れたことがあるそうですが、今回は太田さんの恩人でもある写真家を訪れました。老若男女を集める観光地ですが、ふらりと散策するにもおすすめの地。多くの観光客からは「小町通り」が有名ですが、今回は「今小路通り」を歩いて散策します。そこで見かけたのは鎌倉駅西口から徒歩3分の立地にある麻婆豆腐専門店「かかん」です。太田さんも大好物の麻婆豆腐店であり、店員さんも太田さんのファンということでお声がかかりますが、あいにく満席で今回は残念ながらお店を後にすることになりました。 

 その後に訪れたのは「結の蔵 ファブラボ鎌倉」という市民工房。秋田県湯沢市に建てられた造り酒屋の酒蔵を原型のまま移築したものだそう。気になる蔵内を見学することに。コンピューターで設計してMDFを材料にしたお弁当箱などを作ることができます。そのほか、3Dプリンターを使ってモノづくりも体験できる施設となっています。 

結の蔵 ファブラボ鎌倉

かつての恩人・写真家十文字美信さんを訪ねる

 太田さんが資生堂のアートディレクターだった頃のご友人、恩人である写真家・十文字美信さんの「BishinJumonjiGallery」という控えめな表札が掲げられたギャラリーを訪れました。十文字さんといえば、広告写真の分野で活躍されている写真家であり、40年以上にわたって独自の作品を発表し続けている写真家でもあります。 

十文字美信さん
数々の広告写真の分野で活躍。また、独自のテーマの作品を発表し続けている写真家

 十文字さんの代表的なテーマとなっている滝の風景写真のほかに、今回は「刻々」というテーマの作品を展示されています。水の光と影、水底を独特の感性で映し出した写真に太田さんも大きな感銘を受けます。十文字さんの作品について、目に見えるものを撮影しながらもその中に見えない潜んでいるものを撮影する点に、太田さんは大きな興味を抱かれていると語ります。 

十文字さんの作品

 十文字さんは、コーヒー好きも相まって最近焙煎機まで設計されているそうで、豆の買い付けに海外まで出かけたことがあるほど。太田さんは十文字さんが入れてくれたコーヒーを頂きつつ濃さ、温度、テイストに感銘を受けながら、かつて資生堂で一緒にお仕事した時の作品について語り合い、その話はいつまでも尽きることがないほどです。 

コーヒー

太田さん馴染みのお店・小町よしろうで夕食を

 旅の最後は、太田さんのお気に入りのお店「小町よしろう」を訪れます。小町よしろうは、平成7年に開店したカウンターのみのアットホームな居酒屋です。女将である姫田さんと対面しながらお食事とお酒を堪能できます。太田さんはコロナぶりの訪問とのことで、変わりないお店の雰囲気にほっと笑みがこぼれます。 

太田さんのお気に入りのお店「小町よしろう」にて女将の姫田さんと太田さん

 最近では、姫田さんも体調もあり、土・日・月曜日に営業。その他の曜日は自身のワイン店を営みたいと希望している女性店主・倉光舞さんが営む「泡とわいん」の暖簾が出ています。フランスワインをメインにカジュアルな料理を堪能できるお店です。飲み物を聞かれた太田さんは迷うことなく、燗がおすすめの大七をいただきます。 

大七 純米生酛(一合)880円

 よしろうの女将さんである姫田さんは、翻訳家である姫田余四郎さんの娘さんです。姫田余四郎さんの代表作である「天井桟敷の人々」の主人公が「ガランス」という名前で、これは日本語では「茜」という意味があり、女将さんの名前を「あかね」と名付けられたそう。 
大七をいただいた後にいただくのは、お通し4点盛りです。 

お通し4点盛り1,100円※日替わり

 和えは、甘い柿が白和えになっていることで酒のアテにぴったりだと、女将のやさしい家庭料理の味に舌鼓を打たれます。その後、野菜たっぷりの味噌汁やいわしのひらき、ご当地湘南の味が詰まったしらすねぎオムレツをいただきます。

第123回「古都・鎌倉で馴染みの名物料理を堪能」まとめ

 旅の最後は鎌倉の「小町通り」で締めくくりです。昼の賑やかさとは打って変わった静けさと趣ある表情に変わります。今回の旅では、恩人でもある写真家・十文字さんと昔話に花を咲かせることや久しぶりに訪れた馴染みの店、小町よしろうでゆっくりとお酒とお料理を楽しめて、太田さんにとってとても充実した時間になったようです。鎌倉は文化の香りがあり、地に着いた生活があり、静かな年の暮れであるこの時期に訪れたことで大人の楽しみ方ができる町と締めくくられました。一度鎌倉の街を訪れてみたい気持ちになる旅になりました。 

太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 第123回「古都・鎌倉で馴染みの名物料理を堪能」はBS11+で配信中

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