今回の太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選は映画のセットみたいな屋台横丁のシーンから始まります。どんな旅になるのでしょうか。餃子の街としても注目を集める栃木県・宇都宮市を訪れます。
大谷石の採掘場へ
太田和彦さんが今回訪れたのは、北関東最大の街、栃木県・宇都宮市です。餃子の街として有名ですが、太田和彦さんが訪れた目的はほかにあるみたいですね。居酒屋探訪と思いきや、大谷石の採掘場に興味津々です。早速、大谷石の採掘場跡地へ向かうことになりました。
大谷エリアにある大谷資料館の地下採掘場跡は、大正8年から約70年をかけて、大谷石を掘り出してできた巨大な地下空間が広がっています。むきだしの岩肌などその独特な景観は、見る人を圧倒させるとともに、神秘的な雰囲気が感じられます。これまでいくつもの映画やドラマのシーンにも使われてきた場所です。太田和彦さんは「ずっと憧れていた場所で、よくやく初めて来ることができた。ずっと感動しっぱなしです」と感動の胸の内を伝えます。
大谷石の特徴は軽めながら強度も強く、通気性もいい石で、過去には帝国ホテルなどの有名な建築物にも使われてきた歴史を持つ石です。この大谷石の採掘場跡地に、太田和彦さんを引き寄せたかのようなものがありました。なんと、それは日本酒だったのです。採掘場跡の地下空間の隅に、日本酒を寝かせる蔵がありました。
茨城県水戸市にある明利酒類が、採掘場跡の地下空間の温度や湿度で日本酒を寝かせたらどうなるか、実験中とのことでした。太田和彦さんが大谷石を見たくて仕方なかったのは、日本酒に呼ばれたのかもしれません。
酒場 庄助へ
さて、いよいよもう1つのお目当て、本日の居酒屋へと向かいます。宇都宮市にある酒場 「庄助」は昭和25年創業の老舗です。太田和彦さんはこれまでも訪れたことがあり、先代の時代からのお付き合いです。会津の酒蔵、「末廣」の日本酒を、からくち熱燗でいただきます。お通しは季節の味、丁寧に炊かれた透明感あるふき煮です。
もう1つお楽しみのお通しはゆず味噌です。ゆず味噌というと、味噌にゆず果汁や砂糖などを加えて練った調味料を思い浮かべますが、酒場「庄助」のゆず味噌は独特なものになっています。毎年家族が総出になって700個のゆず味噌を仕込んでいます。丸ごと柚子を味噌に付けて吊り下げて熟成させ、カットしていただくものです。からすみのような見た目で、ここでしか食べられない逸品です。
さらに、栃木名物の「しもつかれ」も登場しました。学校給食にも登場する、栃木の伝統的な郷土料理です。塩鮭の頭と大根、人参、大豆に酒粕などを合わせた料理です。塩味と発酵、熟成された独特の味わいが楽しめ、お酒も進みます。
酒場「庄助」で今気になっているのが跡継ぎ問題です。女将さんのお孫さん、お嬢さんの息子さんは高校生と中学生です。高校生の息子さんは居酒屋を継ぎたいと志しており、今は調理科に通っていると言います。卒業後に別の店で修業をしたら、酒場「庄助」を継ぎたいと言っており、現在でもたまにお店を手伝っているとのことです。頼もしい後継者がいて、女将さんもホッと胸をなでおろしています。
おだいどころ 華乃庄へ
いつもなら1店だけ、馴染みの店に行ったらそれで終わりといったところですが、今回はもう1軒足を運びました。宇都宮屋台横丁の一角にある、「おだいどころ 華乃庄」です。地酒と家庭料理のお店で、コの字型のカウンター8席だけのこぢんまりとしたお店です。アットホームな雰囲気なので、女性の1人飲みも多いのだそうです。
栃木の地酒という看板に惹かれて入店した太田和彦さんが頼んだのは大田原の「大那」でした。切り湯葉とエノキの煮物のお通しをはじめ、女将さんがその方の選んだお酒などを見ながら、その場で次々においしい料理を作って出してくれます。メニュー表にもさまざまな料理が並んでいます。どんな味を楽しんだのか、続きは映像でご覧ください。
栃木県宇都宮で魅力あふれる名居酒屋を堪能 まとめ
今回、太田和彦さんが訪れたのは栃木県宇都宮市です。大谷石の採掘場跡地で意外な発見もあり、馴染みの老舗居酒屋に訪れた後は、初めて訪れるアットホームな居酒屋で地域の方との交流も楽しみました。