第56話 「夢に見た両班」| ホジュン~宮廷医官への道~
ヒルを使って患部から血膿を吸い出すという奇抜は方法で信城君の腫れ物を治療するホ・ジュンは、周囲のプレッシャーをはねのけ、見事に病を完治させる。最初は反対していた殿下はホ・ジュンの功績を高く評価し、正三品 堂上官の品階を与え、御医に任命する。それはすなわち、中人から両班になったことを意味する。家に帰り、家族に任命状を見せるホ・ジュン。驚き、言葉を失うギョム。嬉しさに涙を流す母親。そしてダヒとホ・ジュンは何も言わず、ただ静かに抱き合った。ところが、喜びも束の間、国をひっくり返す一大事がホ・ジュンを襲う。倭軍が侵略してきたのだ。壬辰倭乱(文禄の役)の勃発である。釜山浦に上陸した倭軍は破竹の勢いで北上し、漢陽のすぐそこまで迫り―。
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第57話「都を捨てる」 | ホジュン~宮廷医官への道~
ついに倭軍が漢陽まで到達した。混乱に陥った民衆は怒りの矛先を支配階級に向け、両班を襲ったり、宮廷に火を放ったり、まさに修羅場。家族の避難を手伝いに自宅へ向かったホ・ジュンも怒り狂った民衆に襲われそうになるが、キム・マンギョンに助けられる。そして恵民署が燃えていると聞き、駆けつけてみると、すでに建物全体が炎に覆われており、やっとのことで最低限の医書を運び出す。医書を荷造りして家に向かってみると、家はもぬけの殻。ホ・ジュンが来るのを首を長くして待っていたのだが、宮廷の人間はすでに避難してしまい、殿下に仕えるホ・ジュンも一緒に行ったに違いないと判断し、イルソ・ヤンテ一家と一緒に発ったのだ。医書の荷造りで殿下一行の出発に間に合わなかったホ・ジュンたちは、重い医書を担いで一行に追いつこうと開城を飛ばし、直接、平壌を目指して歩きつづける。途中、村に立ち寄ってしばしの休憩を取っていると、いきなり倭軍が現れて――。
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第58話「サンファとの別れ」 | ホジュン~宮廷医官への道~
村の民家でしばしの休息をとっていたホ・ジュン一行。そこへ倭軍がやって来て見つかりそうになるが、サンファが囮になって敵をひきつけてくれたおかげで、何とか逃げ出すことに成功する。船着場に到着し、平壌目指して船に乗りこむホ・ジュン一行だが、敵と共に消えていったサンファが心配なホ・ジュンは、なかなか出発できない。後ろ髪を引かれる思いで船を出すと、岸にサンファの姿が現れる。ホ・ジュンは船を戻そうとするが、それも間に合わぬまま、皆の見守るなか、後ろから追いかけて来た敵の鉄砲に倒れてしまう。一方、ホ・ジュンの家族はイルソ・ヤンテ一家とようやく平壌近くまでやって来た。途中、ヤンテの妻・ユウォルが産気づいて民家の納屋を借りて男の子を出産する。身重のユウォルをお荷物扱いしていたハマンも新しい生命の誕生を喜び、疲れ切った顔にしばし笑顔が戻る。殿下一行も平壌城に到着したが、倭軍の進撃の勢いが止まらぬことから、国境を越えて明に身を寄せるべきと主張する大臣まで現れた――。
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第59話「国境の手前」 | ホジュン~宮廷医官への道~
ついに敵軍が平壌に達し、本格的な攻撃が始まった。イルソ、ヤンテ、ギョムも義兵に名乗りをあげ、城に襲いかかる敵兵に石を投げつけて追い払う。ダヒは国を守るために懸命に頑張るギョムに握り飯を配り、ホ・ジュンも懸命にケガ人の世話をしていることを告げながら、家族を省みない父親に対する恨みを消そうと、母の思いを静かに語って聞かせる。一方、平壌を出て、さらへ北へと向かった殿下一行は、義州城でとりあえず旅装を解くが、そこへ信城君が急病で倒れたとの報が入る。殿下の命令でホ・ジュンの代わりに殿下を随行していたドジは王子様の原因不明の病に青ざめる。頼りとなる医書はすべて平壌に置いてきてしまい、手をこまねいているうちにあっけなく亡くなってしまう。ドジは責任をとって牢屋に入れられ、代わりに平壌に残ったホ・ジュンが呼ばれる。ようやく家族と再会できたのも束の間、再び戦闘の中に家族を残していかなければならなくなったホ・ジュン。引き裂かれるほどの思いでダヒたちに義州行きを告げると、ギョムは父親の立場を理解し、心強い言葉で父親を送りだしてくれた。
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第60話「戦乱から見えたもの」 | ホジュン~宮廷医官への道~
銃弾を受けたと嘘をつき、ドジに殿下の針治療を任せたホ・ジュン。施術後、間もなく殿下は意識を取り戻し、起き上がるまでに回復する。一時でもホ・ジュンの忠心を疑ったことを詫びる殿下に、ホ・ジュンは回復はドジの針治療のお陰であり、ドジの罪を許すよう願い出る。そんなホ・ジュンに対し、ドジはこれまで嫉妬心にかられてホ・ジュンに数々の妨害を加えてきた自分の罪を告白し、心から謝罪する。敵軍の攻撃は衰えず、光海君が死守すると誓った平壌も陥落し、生き残った部下たちと共に義州に避難して来るが、明の援軍が到着すると戦況は一挙に逆転し、義兵の活躍も目覚しく、ついに倭軍を撃退する。長い戦乱を終え、ホ・ジュンが痛感したのは、医術をもっと民衆の身近なものにしなければならない、ということであった。戦乱で多くの死者を目の当たりにしたが、その多くが敵の攻撃ではなく、疫病や疾病に倒れた者たちであった。少しの知識さえあれば死なずにすんだ人々。彼らのためにできることは、医術をわかりやすく体系化し、広めることと考えたホ・ジュンは、殿下に医書編纂を願い出る――。
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