中山秀征の楽しく1万歩の旅、今回は川越街道沿いの街、小江戸と呼ばれる川越です。江戸、明治、大正、昭和の時代が楽しめる街で、時代めぐりをしながら、川越名物、地元グルメを楽しみます。
川越街道とは
川越街道は、室町時代に江戸城と川越城をつないだ道とされ、江戸時代には中山道の脇街道として多くの人が往来し、川越藩主の参勤交代の道でもありました。
川越は、川越街道や新河岸川の舟運で江戸と結ばれていた歴史を持ち、江戸の北の守りと位置付けられ、城下町として発展してきました。川越は小江戸と呼ばれたほど賑やかな街として繁栄し、現在でも江戸時代の面影を残す街並みが残り、人気の観光地になっています。
いつ買っても温かい焼き立てを食べられるバウムクーヘンや川越名物のさつまいもと鰻のコラボレーション、新感覚スイーツなども楽しめる街です。江戸時代をはじめ、明治、大正、昭和と時代めぐりができる川越で風情を満喫しながら、時代めぐりの旅を満喫していきましょう。
川越街道の終点からスタート
川越市役所の前は川越街道の終点に当たる場所です。ここから時代めぐりの旅をスタートし、川越大師と呼ばれる喜多院を目指します。今回の旅の終点である喜多院には、江戸幕府とのつながりがわかるものが残されています。まずは、江戸時代の情緒が感じられる通りを歩いていきましょう。
路地に入ると、見えてきたのは小江戸川越のシンボル時の鐘です。4代目となる時の鐘は、16mの高さがあります。時の鐘を過ぎると、江戸時代の風情が感じられる蔵造りの街並みが広がります。火事が多かった江戸では火災に強い蔵造りが広まり、川越でもそれを真似して店蔵が建ち並びました。
温かいバウムクーヘン
たくさん店が建ち並び、1軒1軒立ち寄りたくなるくらいですが、そこからお店を選んでいきます。蔵造りの街並みから小道に入ると、「川越バウム」を見つけました。
温かいバウムクーヘンを好みのトッピングで楽しめるお店です。お店の一番人気である、抹茶アイスと小豆、ホイップクリームがトッピングされた温かいバウムクーヘンをいただきます。温かく、ふわふわの柔らかなバウムクーヘンを味わってもらうために、1日3回店内で焼き上げています。焼き立てならではの口当たりと、卵とバターの濃厚な風味が楽しめるのも魅力です。
さつまいもの名産地で味わう川越ポテトラテ
1865年創業お菓子の紋蔵庵は、川越を感じさせるお菓子作りにこだわっているお店で、川越ポテトなどの川越銘菓を作っています。中山さんが味わったのは川越ポテトラテです。
さつまいもの濃厚な味が楽しめる、さつまいもを使ったスムージーです。川越ポテトのお店で、おすすめのスポットを聞いて、次の場所へと移動します。
シンプルな焼き団子に舌鼓
明治時代を感じる菓子屋横丁に行く前に気になったのが、昭和12年創業で1本50円という安さの焼き団子店です。1日1,000本も売り上げるという人気店です。
醤油ベースのタレでシンプルに焼き上げた、香ばしいお団子を堪能しました。
昔ながらの手作り飴
ハッカ飴や駄菓子、団子など昔ながらのお菓子屋さんが並ぶ、明治時代の風情が感じられる菓子屋横丁を散策していきます。最盛期には70ものお店が軒を連ねていました。まずは1914年創業の飴屋さん、玉力に訪れました。
100年以上の歴史を持ち、手作りの飴を売っています。創業以来、職人の手作りにこだわる飴屋さんで、出来立てのパイナップル飴をいただき、癒される味を楽しみました。菓子屋横丁も変化してきた中で、昔ながらの変わらないお店があることに、訪れる人がホッとするスポットです。
狭山茶と手焼きクレープ
歴史ある菓子屋横丁に2023年11月にオープンしたばかりの、抹茶あらたに立ち寄ってみました。寒暖差の多い埼玉の地で作られる狭山茶は、「味の狭山茶」と呼ばれ、旨みと甘みがしっかりしたお茶に仕上がります。葉が厚く、濃厚な味が楽しめる狭山茶は、静岡茶、宇治茶と並ぶ日本三大銘茶として評価されています。そんな狭山茶の抹茶を使ったクレープを堪能しました。狭山茶だけでなく、川越には河越茶があるのをご存知でしょうか。
復活を遂げた貴重なお茶です。河越抹茶を練り込んだ抹茶蕎麦や河越抹茶わらび餅など、希少な河越抹茶グルメも誕生しています。
さつまいも×鰻のグルメ
再び江戸情緒あふれる蔵造りの通りを行くと、通り沿いに錦鯉が泳いでいるなど、風情ある街並みを楽しむことができます。うなぎ専門店うなっ子で、気になるいも重をいただきました。さつまいもの炊き込みご飯の上に鰻の蒲焼を乗せたうな重です。川越は川に囲まれた地域なので、かつては荒川や入間川、新河岸川などで天然の鰻が捕れました。その名残で、現在でも街の中心部に20軒もの鰻店が軒を連ねています。
いも重には、紅赤という川越産のさつまいもが使われています。さつまいもご飯は、せいろで蒸すことでホクホクの触感が残り、熱々の状態で楽しめるのが魅力です。さつまいもと鰻の意外な組み合わせが楽しめます。ほかにも、ブライトンカフェでは、鰻とパスタを組み合わせてカルボナーラに仕立てた、うなボナーラがいただけます。新しい食の体験をしてみてはいかがでしょうか。
さつまいも×チョコの川越ショコラ
次に訪れたお店は、川越名産のさつまいもとチョコレートの組み合わせが楽しめるお店、川越ショコラ ブロマージュです。チョコとさつまいもの組み合わせも絶品です。
大正浪漫夢通りへ
観光案内所で大正時代の雰囲気を楽しめるスポットを教えてもらいます。大正時代にタイムトリップできるのが、大正浪漫夢通りです。石畳が広がり、ハイカラな雰囲気の洋館などが建ち並びます。大正時代から昭和にかけて賑わった商店街です。大正時代や昭和初期の建物を活かしたレトロな街並みを再生した通りになっています。
シマノコーヒー大正館でクリームソーダ
大正時代を感じさせるレトロな喫茶店で、今人気のクリームソーダをいただきます。ウエイトレスさんの服装も大正時代のような雰囲気の中、レトロな雰囲気のクリームソーダを楽しみました。中山さんの川越散策は江戸時代、明治時代、大正時代と楽しんできたので、後は昭和を残すのみです。
特産のさつまいもを楽しむ川越グルメ
焼き鳥屋さんでは、さつまいもコロッケをいただきました。川越らしく、焼き鳥屋さんでもさつまいものグルメが用意されています。川越にはまだまだユニークなさつまいもを使ったグルメがあります。どんだけ~芋プリンはさつまいものプリンに川越芋のモンブランソフト、芋のチップスを乗せたさつまいもスイーツです。ほかにも、小さなハンバーガーを4つ重ねたスライダーバーガーは、ハンバーガーの間にペースト状のさつまいもを挟んでいます。焼き芋を飲んでいるかのような、さつまいも味のサイダーと一緒に楽しむのがおすすめです。
昭和を感じる通りへ
川越の時代めぐりの最後に、ノスタルジックな昭和情緒が残される地域を散策します。
小江戸屋台村は、お祭の屋台が集まったスポットです。射的などのゲームも楽しめます。
飾られていた狐のお面は、川越のお祭と関連しています。毎年10月に開催される川越最大の祭、川越まつりで奏でられる天狐のお囃子に由来して、狐のお面が屋台で売られるようになりました。中山さんは、屋台村で、狐のお面の絵付けにチャレンジしました。
川越大師 喜多院へ
川越大師とも呼ばれる喜多院は、9世紀頃創建の天台宗の名刹です。徳川家康の側近であり、2代将軍の秀忠、3代将軍の家光に仕えた天海が住職を務めていたことから、徳川家とのつながりが深い寺院です。火災で焼失した後、3代家光によって再建された歴史を持ちます。
この時、江戸城から移築された貴重な建物が見られるのが喜多院の魅力です。家光誕生の間である客殿や家光の乳母であった春日局が使用した化粧の間である書院をはじめ、葵の門があしらわれたものがそこかしこにあることから、江戸城の一部であったことがわかります。中山さんの川越散策、本日は8306歩でした。「路地曲がり江戸から昭和に一万歩」の旅でした。
「川越で江戸~昭和の時代めぐり&絶品グルメ旅!」まとめ
川越は小江戸とも呼ばれ、今でも江戸時代、明治時代、大正時代、昭和時代の雰囲気を味わうことができます。名産のさつまいもや鰻を使ったグルメを楽しみながら、散策できるレトロな街です。ぜひ皆さんも川越の雰囲気やグルメを楽しんでみてください。