今回の京都探訪のテーマは「おあつらえ」です。おあつらえとは、自分だけの特別な品を職人や作家に依頼して作ること。これまで敷居が高いと感じていた常盤貴子さんも、今回は勇気を出して京都の職人の世界に一歩踏み込みました。
熟練の技術で仕上げる京うちわ
常盤さんがおあつらえに挑戦したいと思ったきっかけは京うちわです。最初に老舗の京うちわ専門店・阿以波を訪れました。10代目の饗庭さんに工房を見学させていただき、常盤さんは作業工程を真剣に見入っていました。
竹を細く割いて骨を作り、それに紙を貼り合わせるという繊細な工程が特徴のうちわは、職人の卓越した技術の結晶です。骨の数が多いほど美しいとされ、一本一本手作業で仕上げられる作品はまさに芸術品そのもの。
観光客でもおあつらえをお願いしてよいそうです。装飾にもよりますが、2週間くらいで完成するとのこと。おあつらえの敷居が低くなり、常盤さんはうれしそうでした。
グルメのおあつらえで京都の味を堪能
京都・祇園のイタリアンレストランでは「食のおあつらえ」を楽しめるということで、常盤さんが訪問します。メニュー代わりに運ばれてきたのは旬の食材を乗せたワゴンです。
30種類の前菜は定番から季節の食材まで取り揃えられ、好みに合わせて料理を仕立てるというスタイルは、まさに食の「おあつらえ」。常盤さんは春の食材を選び「初めていただく味わいがたくさんで、季節の美味しさを存分に楽しめました」と嬉しそうに話していました。いちごのパスタを口にして「見た目もかわいくてテンションが上がります!」と絶賛する様子が印象的でした。
自分だけの履物を作る喜び
京都市左京区にある履物の工房では、土台や鼻緒を選んで自分だけの履物を作ることができます。工房の主である関塚さんは、履物を着物の付属品ととらえず、洋服や着物と合わせられる自由なアイテムとして提案しています。
常盤さんは「普段は白の履物を選んでしまいがちですが、こうして色や素材を選ぶ楽しさに気づきました」とコメント。「履物を花器に例えるという表現がとても印象的で、足元のオシャレが一層楽しくなりそう」と、新たな視点に感動を覚えた様子でした。
「京都・おあつらえ入門 -私だけの宝物ー」まとめ
「おあつらえ」はただ物をオーダーして作るだけではありません。職人と対話をしながら進めていく過程も楽しく、自分の思いもまとめながら形作っていくことで、心を込めた作品が手に入る特別な体験です。京都の豊かな伝統に触れながら番組を通じて「おあつらえ」が持つ魅力とその奥深さをぜひ味わってください。