おやじ京都吞み~鯖寿司と焼肉と〆は冷めん~

酒×食

京都好きが高じて年間60日以上京都に滞在している俳優・角野卓造さん。
そして、2020年から京都に住み始めた俳優・近藤芳正さん。
この“京都愛あふれる”二人が、のんびり、ゆるっと、呑み歩きながら語り合う番組です。

喫茶チロルにて待ち合わせ

待ち合わせは1968年創業の「喫茶チロル」。
山小屋風のレトロな店内、年季の入ったテーブル、そしてどこか懐かしい空気感。
近藤さんはチロルのオリジナルグッズまで持っているほどの常連。ハヤシライスがお気に入りです。一方、角野さんのイチオシは、昔ながらの“カレースパゲティー”。

雑誌の連載も担う大の京都好きの角野さんが、どんな店で、どんな酒を呑むのか。
その“酒の流儀”を、後輩の近藤さんがじっくりと学びながら、ふたりの京都呑みはゆるやかに続いていきます。

いづ源にて ~鯖寿司、バランスの芸術品~

近藤さんが、なんと家族ぐるみで長年通い続けているという京都の老舗寿司店「いづ源」。創業は大正時代、京寿司の伝統を今に受け継ぐ名店です。

今回ふたりがいただくのは、いづ源名物の「鯖寿司」。
分厚く脂の乗った鯖、その上に美しく重ねられた白板昆布、そしてふっくらと炊き上げられた酢飯。甘みと酸味、そして旨味の絶妙なバランスは、まさに“寿司という名の芸術”。
「甘みと酸味とご飯のバランスが絶妙でおいしい!」と、角野さんも思わず笑顔に。

食事を楽しみながら、二人が語るのは“昔と今の生き方の違い”について。
「昔は少し角が立ってた…」と、しみじみ語る角野さん。
今はすっかり“まろやか”になったその変化にも、京都で過ごす穏やかな時間が影響しているのかもしれません。

牛おおたにて~大人のひとり焼肉~

静かに肉と向き合いたい夜がある――
そんな“大人の焼肉時間”を叶えてくれるのが、『牛おおた』。
カウンターでひとり焼肉が楽しめる京都の名店です。
先代の味とこだわりを姉弟の二人三脚で守っています。

まずは春雨、ナムル、キムチで胃を整え、肉のおまかせコースへ。
一枚ずつベストな順で提供される焼肉に合わせて、ビール、白マッコリ、純米酒「秋鹿」と、お酒もステップアップ。
一枚目はタン塩。ここで角野さんの“焼肉の作法講座”がしれっと始まります。
「塩はね、こう軽く…」と語る表情は、まさに焼肉マスター。
続くタン先、そして焼きしゃぶ。さっと火を通し、ポン酢にくぐらせて口へ運べば――もう、言葉はいりません。
言葉は少なめ、だけど心は満たされる。
そんな、ひとり焼肉の美学を味わうひとときです。

中華のサカイ~冷やし中華じゃなくて、“冷めん”~

次に角野さんが案内してくれたのは、京都で“冷やし中華”と言えばここ!…ではなく、“冷めん”で知られる名店、「中華のサカイ」。
なんと一年中、冷めんが食べられるという、冷めん愛にあふれたお店です。
看板メニューはもちろん冷めん。…なのに、オムライスも大人気!?
その理由は、ちょっと変わった店の歴史にありました。
元々は戦前の喫茶店。戦後は洋食、そして今は中華へと変化してきた結果、メニューが豊富でどこか懐かしい。
この日、角野さんは「ハム入り冷めん」を、近藤さんは「焼豚入り冷めん」を注文。
そして気になるオムライスは…仲良く半分こ!
冷めんは先代の味と麺を守り続ける特注品。
麺屋がサカイ専用に作る、コシがあり噛みごたえのある唯一無二の麺です。
企業秘密のマヨネーズとからしが効いたタレがシンプルながら麺の美味しさを引き立てます。
そしてオムライスは、昭和の喫茶店を思わせる王道ケチャップ味。
「おいしい!」の連発が止まらない角野さん。
冷めんとオムライスを交互に食べながら、相性抜群としみじみ。
ここ「中華のサカイ」でしか出会えない、唯一無二の冷めんとオムライスの味わいです。

「レコード酒場とビートルmomo」~音楽と酒に酔う夜~

静かに音楽に耳を傾けながら、グラスを傾ける。
そんな大人の時間が流れるのが、「レコード酒場とビートルmomo」。
お店に並ぶのは、なんと約3000枚のレコード。
ポップス、ロック、ソウル、ジャズ、そして懐かしのJポップまで、多彩なジャンルが揃う音楽の楽園です。
まずは、定番の「ジョニ黒ハイボール」を片手に、ゆっくりと音楽の世界へ。
実は近藤さん、レコード収集が趣味。
若い頃は、お金が貯まるたびに買っていたそうです。
そんな彼がこの夜リクエストしたのは、尾崎紀世彦の『また逢う日まで』。
レコードに針が落ちた瞬間、ふっと空気が変わる。
懐かしいメロディに包まれながら、ふたりは昔話に花を咲かせます。
音楽は単に“聴く”ものではなく、心の奥に眠る記憶をやさしく呼び起こすもの。
名曲は、時間を越えて心に深く染み渡るのです。

ここは音楽と酒、そして思い出が交差する大人の隠れ家。
ゆったりと流れる時間の中で、静かな幸せを味わうことができます。

ふたりの京都吞みはまだまだ続きます。

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