前回も大好評だったパン特集の第2弾。日本一とも言われるパンの消費量を誇る京都で、常盤貴子さんが大好きなパンについて学びます。案内役は、京都の歴史と文化を30年以上にわたって取材してきた『月刊京都』編集顧問の山岡祐子さん。老舗から革新派まで、五感で楽しめるパンの魅力がたっぷり詰まった内容です。
西陣の老舗「大正製パン所」

最初に訪れたのは、織物の町・西陣で100年以上愛され続ける「大正製パン所」。創業は大正8年。昔ながらの木箱を使ってパンの水分を調整する技法や、職人が着物姿でもこぼれにくいように中身を硬めに仕上げたカレーパンなど、京都ならではの工夫がされています。
隠れ家ベーカリー「キキダウンステアーズベーカリー」

右京区・双ヶ丘の住宅街にひっそりと佇む「キキダウンステアーズベーカリー」は、隠れ家のような佇まい。店主の中井俊則さんが生み出すパンは、どれも一口サイズで見た目も可愛らしく、多くの種類を少しずつ楽しめます。

中でも異彩を放つのが、クロワッサン生地にししゃもを巻いた「ししゃもパン」。発売当初はなかなか売れなかったそうですが、粘り強く改良を重ね、今やお店の人気商品に。常盤さんは「これはワインに合いますね! つまみになります!」と大絶賛。
老舗喫茶「イノダコーヒー」×「ブルーデル」

京都屈指の老舗喫茶「イノダコーヒー本店」を訪問。ここで提供される「京の朝食」には、コーヒーとの相性抜群のクロワッサンが添えられています。フランス仕込みの技術で作られるこのクロワッサンは、バターの香り豊かで、外はサクッと中はしっとり。イノダの常連客に愛される味を追求してきた逸話には、常盤さんも「この味の背景にある真摯な姿勢がすごい」と感銘を受けていました。
「ブランジュリーまっしゅ京都」

「ブランジュリーまっしゅ京都」は、祇園祭にちなんだ「粽(ちまき)パン」や、源氏物語の登場人物をイメージした「光源氏パン」「若紫」などを提供しています。演じ手としても源氏物語に縁のある常盤さんは、パンを通じた文化体験にしみじみとした表情を見せていました。
パンが主役のビストロ「germer」

最後に訪れたのは、哲学の道の近くにある「germer(ジェルメ)」。昼はパン屋、夜は1日1組限定のフレンチビストロに変身します。コース料理の各皿に合わせて用意されるのは、クミンやカレースパイスが練りこまれたバゲットや、低温発酵で丁寧に焼き上げられたフランスパン。パンが料理の脇役ではなく主役であることを体現する一軒でした。
「伝統と革新のパン文化 -京都通と巡る多彩な名店-」まとめ
京都のパンは、伝統を守りながらも大胆な発想で新たなパン文化を切り拓いていました。常盤さんも「伝統と革新が息づく町だからこそ、パンもこんなに面白くなる」と感動していました。紹介しきれなかった内容は、ぜひ番組をご視聴ください!