太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選の第131回は鰻の名産地浜松市を訪れました。この日お目当ての居酒屋は、以前訪れたことがあり、再訪です。浜名湖の朱の鳥居からスタートです。
浜名湖散策
浜名湖は海水と淡水が混じり合う汽水湖で、クルマエビやアサリなど多彩な魚介類の宝庫です。鰻の養殖で有名ですが、太田和彦さんは鰻には目がないというほどの鰻好きです。早速、浜名湖にある鰻の仲卸業者の一つである「海老仙」を訪ねることにしました。
「海老仙」は創業100年以上の老舗ですが、海老という店名にあるように、もともとはクルマエビを扱う業者でした。浜名湖で鰻の養殖が盛んになったことで、鰻の養殖を手掛けるようになり、現在では鰻が主力で、地域だけでなく全国へと出荷しています。鰻の本場、浜名湖に来たからには鰻を食べずにはいられません。
養殖場でたくさんの鰻を見て食べたい気持ちがうずうずしてきた太田和彦さんが、鰻の蒲焼を食べに訪れたのは、創業1921年創業で、100年あまりの歴史を持つ老舗「つるや」です。なんと、二段丼が登場しました。ふっくらとした鰻の白焼きも付いています。二段丼はご飯の間にも鰻の蒲焼が入っているものです。ご飯の間で蒸された鰻の蒲焼は風味も一味変化し、格別なおいしさです。
貴田乃瀬へ
「旬菜貴田乃瀬」は、浜松駅から徒歩10分ほど、全国から食通たちが集う名店として知られています。太田和彦さんは、店主の親方のことを「東海道・居酒屋の鉄人」と呼んでいるほどです。ここを以前訪れたのはコロナ禍前なので、約5年ぶりです。地酒中心に多くのお酒が並んでいますが、お客さんの注文に応じるのではなく、お客さんに合わせて親方がおすすめを選んでくれるスタイルとなっています。
この日おすすめされたのは、地元の静岡の森本酒造が北海道の彗星米と名付けられた酒米を使って仕込んだ小夜衣・純米吟醸・彗星です。40℃のぬる燗でいただきます。お通しは、なすの漬物に、玉子豆腐と豚肉を合わせた三ケ日豚の玉子よせが登場しました。オリジナル料理の評判が高いご主人が早くも本領発揮です。太田和彦さんがオーダーしたのは、お店の名物うまいしめさばです。
しめさばの作り方が他とは異なる独自の方法になっています。厚切りしたしめさばのお味は、ほかにはない逸品です。次に親方が選んでくれたのは、地酒である浜松の「出世城」です。まずは冷やでいただきます。甘酒のようなふくよかな風味です。ですが、これを45℃の燗にすると酸が立つのが不思議です。一般的な日本酒は冷やより熱燗にしたほうが柔らかになり甘みが出ますが、その逆をいくお酒でした。浜名湖産のカキを使ったみの揚げも、独自の衣をまとった逸品です。衣にはジャガイモやサツマイモの細切りが使われています。
ソムリエの奥様が選ぶワインとご主人の料理のマリアージュ
奥様はご主人の料理を活かすため、日本酒の利き酒師の資格に加えて、ワインのソムリエの資格も取得しました。しかも、ソムリエの最高峰資格であるソムリエ・エクセレンスを取得されています。ご主人の料理に合うワインのマリアージュを提案してくれます。まずはお刺身に合う、アメリカ産のピノノワールからいただきました。日本酒を堪能して、ワインで締めくくります。
最近では、高齢の方も含め、締めはワインという方が増えてきたとのことです。親方オリジナルの料理である煮穴子のセロリの佃煮添えに、奥様がセレクトしたワインをマリアージュしていただきます。
「静岡県浜松市で浜名湖の恵みと銘酒を堪能」まとめ
鰻の名産地、浜松の地で、鰻をお腹いっぱい食べ、奥様のご主人を支える愛を感じる日本酒とワイン、おいしい料理が楽しめる居酒屋を堪能した太田和彦さんでした。詳しい内容は、番組でぜひご覧ください。