今回は、滋賀県の中部に位置する近江八幡が舞台。琵琶湖とともに歩んできたこの城下町は、豊臣秀次によって築かれた八幡山城を中心に発展し、今も歴史の面影が色濃く残ります。
近江八幡をふらり歩き

太田さんが降り立ったのは、石畳と白壁の町家が続く「新町通り」。低く抑えられた2階建ての町家には「上から見下ろさぬ」という近江商人の美学が宿りっています。「これはいい通りだね。時代劇を撮りたくなる」と太田さん。道すがら、町の人との会話も楽しみます。
明治の洋館が語る異文化交流の記憶

続いて訪れたのは、明治時代に来日し、日本各地に名建築を残したウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した「旧八幡郵便局」。和と洋が調和したこの建物は、大正10年に長屋を改装して生まれたもの。太田さんは、トップライトやハイサイドライトによる自然光の取り入れ方に「これもまた、工夫の塊ですね」と感心した様子です。

建築だけでなく、そこに流れる空気も魅力的です。市内には20以上ものヴォーリズ建築が点在しており、近江八幡が文化の交差点であったことを今に伝えています。
八幡堀でゆらりと城下町の情景に浸る

町を巡る水路「八幡堀」は、豊臣秀次の命により整備されました。江戸情緒を感じさせる絶景で、今も屋形船が往来します。太田さんも実際に船に乗り「侍が歩いてきそう」と終始うれしそう。赤く色づいた紅葉や、静かに落ち葉が浮かぶ水面に「落ち着くなあ」と安らいでいました。
名店「直」で味わう、滋賀の酒と冬の恵み

日が暮れたころ、駅近くにある名居酒屋「直(なお)」を訪れます。2014年創業の新しい店ながら、すでに名店の呼び声も高い評判の店。店構えに太田さんは一目で惚れ込んだ様子でした。

お通しは、たら白子ポン酢や鯛の子、うぐい炊きなど、美しく豪華な内容。氷見産のブリを使った「塩たたき」に「浅茅生 生酛 特別純米 赤カエル」を燗で合わせます。

琵琶湖の固有種「本もろこ」の南蛮漬けは、どこか哲学的な面構えです。太田さんはその滋味深い味わいに感動。さらに、マグロの漬けだれにつけたセロリも登場し、そのひねりのある味わいに「これはいいやつを見つけた」と太田さんもご満悦。
ご主人との会話のなかでも「近江の人間は人当たりがいい」と感じた太田さん。穏やかな語り口と気配りのもてなしに「心が和むね」と終始にこやかでした。
「滋賀・近江八幡で風情と絶品料理を満喫 」まとめ
風情ある町並み、明治の洋館、歴史の水路、そして滋味あふれる郷土料理と酒。近江八幡の旅は太田さんにとって多くの「再発見」の連続でした。「こんなに素晴らしい街だったのか」と何度も口にしたほど、その魅力に深く触れた1日でした。ここで紹介しきれなかった内容は、ぜひ番組をご視聴ください!