諸見里しのぶさんといえば9回の優勝を成し遂げたことがある、2000年代の女子プロを代表するゴルファーです。2019年に引退した諸見里さんは、現在BS11で自身の冠番組を持ち、アマチュアの方にテクニックを伝授する講座を開いています。この回ではゲストに原史奈さんを迎え、ショートパット、ロングパット、ウッドの使い方などさまざまなテクニックをレクチャーしています。
ショートパットを沈めるには「頭を動かさないこと」が大事
まずは二度目の出演となった原さんの上達具合の確認からスタート。パー5のホールに4打でグリーンにまで近づいた原さんですが、短めの距離からのパットを1打で沈められません。ここでさっそく、諸見里さんのワンポイントレッスンが入ります。諸見里さんは、まずパーパットは緊張してしまいがちで、ミスショットしやすいと原さんに心遣いすることを忘れません。そのうえで、緊張していても、いつも通りパットができるようなスタイルを確立することの大切さを説きます。
諸見里さんが最初にレクチャーするのはパットのコース決め。グリーンのラインを読みつつ、ここにボールを通すという意識さえ固めればミスショットすることはまずありません。次に打った後のボールを目で追いかけるのではなく耳で聞くべしとアドバイスします。最後にパットを打つ時には、顎を固めヘッドアップを防ぐことが重要だと話します。ヘッドアップすると目線がぶれてしまい、パットのコースが予定よりもズレてしまいかねません。この3点を意識しながら原さんが改めてショートパットにチャレンジすると、見事に沈めることができました。
ロングパットは怖がらずに「しっかりと打つこと」が大事
次に原さんが挑むのはパー4のコースです。1打目のドライバーをラフに入れてしまった後、2打目はバンカーに入ってしまいました。それでも、次のバンカーをどうにか脱出し、3打でグリーンに乗せることができた原さんは、今度は長めのパットに挑戦。しかし、距離感を掴みきれずパーチャレンジ失敗となってしまいました。ここで諸見里さんによるワンポイントレッスン。まず諸見里さんは、ロングパットに挑む前には2、3回素振りをしたほうがいいとアドバイスします。
ロングパットに挑むうえではグリーンの芝目を読むことも大切ですが、それ以上に距離感を掴むことが欠かせません。次に諸見里さんは、原さんがパットを持つ時に左手を優しく握っていることに着目しました。原さんのように体幹が強い人はグリップを握りすぎないほうが良いのは確かですが、ロングパットの時はそうとは限りません。しっかりとクラブを握ることで当たり負けせず、ボールに力を込めやすくなります。最後に諸見里さんは、原さんのテイクバックが距離の割に短すぎると指摘します。パットの時は距離が長くなるのを怖がるあまり、テイクバックが狭くなりがちです。しかしながら、それではロングパットのために必要な距離は出ません。以上のアドバイスを踏まえた原さんが、改めてロングパットに挑むと、今度は手ごたえのあるショットを打つことができました。
ウッドを使いこなすためのコツとは?
最後に、原さんはパー5のコースに挑みます。1打目のドライバーは飛距離こそ十分だったものの、右に逸れラフに入ってしまいました。先程のコースでラフに苦戦した原さんは、自身が苦手と話すスプーン(3番ウッド)を使って脱出を図ります。ラフに埋まったボールをしっかりと捉えたショットは、グリーン近くにまでアプローチできましたが、原さんにとっては不満だったようです。ここで、諸見里さんによる3番ウッドのコツのレクチャーが始まります。ウッドを持つ際はついついフルパワーで振ってしまいがちですが、しっかりとボールに合わせたハーフショットを心掛けなくてはいけません。
また、諸見里さんはラフに埋まったボールを打つ際は、クラブフェースをボールに正対させるのではなく、少し傾けた状態で打ったほうがいいとレクチャーします。このアドバイスだけで、原さんは力の抜けたいいショットを放つことができました。それに加えて、諸見里さんはフォロースルーをしっかりと意識することも大切だと話します。フォロースルーを怠らないことでボールの向かう方向が意識しやすくなり、しっかりとしたショットにつながるのです。フォロースルーを意識しながら打った原さんのショットは、見事な軌道を描きつつグリーン近くにアプローチすることができました。今度は原さんも満足したようです。
総まとめレッスンSPのまとめ
今回の諸見里さんによるレクチャーは「ショートパットの安定~確実に決めるためのヘッドアップ防止法~」「ロングパットの距離感~3パットを撲滅させる3つのポイント~」「ラフから打つ3番ウッド~オープンフェースとハーフショット~」の3点でした。それだけでも原さんのプレイの改善は明らか。アドバイスされた部分以外にもわからないことを積極的に聞こうとする原さんの姿勢や向上心の強さがプレイの向上に大きく貢献しているのでしょう。